川の基礎知識 1

   目次
     川の流れについて
          波の種類とストリームVについて
               ホールのできる原理とホールの種類
                    川の危険について

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はじめに

カヌーとカヤックは異なるものですが此処では表記上カヌーで統一しました。

PFD(ライフジャケット)、ヘルメットを必ず着用しましょう。


川の流れについて

上流と下流 右岸と左岸

上流と下流

川の任意の地点から流れを見て、水の流れてくる方向が「上流」、水が流れていく方向が「下流」です。








右岸と左岸

上流から下流を見て(上流に背を向けて)右側が「右岸」、左側が「左岸」です。





本流と側流

本流=メイン・ストリーム

川の流れを「ストリーム」といいます。
流れの中でも流速の早い部分を「本流」または「メイン・ストリーム」(メイン・フロー)と呼びます。
直線の流れの場合、本流は川の流れの中心部分付近に出来ます。

岸に近い部分では川底が浅く岸や川底との摩擦抵抗により流速は遅くなります。





本流の中でも川底に近い部分は、川底との摩擦抵抗により流速は遅くなります。


また水面は空気抵抗により少しだけ流れが遅くなります。


つまり流速の一番早い場所は、本流の水面より若干、下の場所となります。















カーブの部分では遠心力が働くため、川の中心部分より外側へ本流ができます。
カーブの部分ではカーブの外側の水深が深く、内側は浅くなります。
摩擦抵抗の大きな内側は流れが緩やかになります。


側流=サイド・ストリーム

本流の近くには本流より流れが速くない場所があります。
直線部分では本流の両側に、カーブでは本流の内側にできます。
この流れを本流に対して「側流」または「サイド・ストリーム」といいます。




場所によっては複数の本流や側流があったり、本流と側流の明確な区別がつかないこともあります。

























カーブでの本流と側流

直線部分では通常、本流は流れの中心付近にでき、側流は本流の両横にできることが多いといえます。
カーブの部分では遠心力により本流はカーブの外側へ移動します。
本流の横には側流ができますがカーブがきつかったり、流れが強いと本流がカーブの外側の岸に直接当たるまで移動する場合もあります。
この場合は外側には明確な側流を伴いません。

カーブの内側にはエデイができます。



カーブの部分の川底は、カーブの外側が深くなり、内側が浅くなります。



<注意>
カーブの部分ではカヌーは流れにより外側へ押し出されようとします。
特に本流が直接外側の岸に当たっている場合は注意が必要です。
特に見通しが悪いカーブでは危険物を回避できるようにしておく必要があります。


と瀞場 / 淵

川の流れの中で、急に流れが速くなり波が立っている区間を「瀬」(早瀬)と呼びます。
瀬の中でも白く波が立って、激流となっている部分を「ホワイト・ウォーター」と呼びます。

瀬のできる要因としては

1、川の勾配がきつくなっている。
2、川幅が急に狭くなっている。
3、川底の岩などに流れがぶつかっている。

などの要因が複雑に絡み合い瀬を形成します。



瀬は波の大きさや複雑さ、更に水量により難易度が変わってきます。
同じ瀬であっても、その日の水量により難易度は変化します。

瀬の近くでは「ゴー」と激しく水の流れる音が聞こえたり、波や白波が見えたりします。


瀞場

川の流れが遅くなっている区間を「瀞場」といいます。
ホワイト・ウォーターに対して「ブルー・ウォーター」や「フラット・ウォーター」ともいいます。







淵=プール

川の流れが止まっている部分を「淵」または「プール」いいます。
瀞場と表現されることが多い。





エディとエディーライン
 

エディ

岸の窪んだ部分や流れをさえぎる障害物の下流側 に作られる「反転流」のこと。
広い意味では反転流を伴った部分全体までを含めて「エディ」と呼びます。

反転流とは下流側から上流側へ向かう流れのこと。

ただしエディの中には反転流のはっきりしない、ほとんど止まった状態のものも含まれます。

エディにカヌーを入れること(エディ・キャッチ)ができれば、川の流れの中でカヌーを止める事ができます。






エディ







エディ・ラインとエディ・フェンス

流れ(ストリーム)とエディーにできる水の境目を「エディ・ライン」と呼びます。

エディー・ラインは流れと反転流の急激な変化の境目となります。
流れが強い場所ではエディ・ラインが盛り上がった状態になります。
これを「エディ・フェンス」といいます。



<注意>
エディ・ラインやエディ・フェンスを境に、流れが急激に変わるので注意が必要です。
またエディの中には複雑な反転流を持つものもあるので注意すること。
水平方向の反転流ではなく、垂直方向に回転する反転流を伴うエディを「ポアオーバー・エディ」といいます





ボイルと渦

ボイル

お湯が沸騰したように水面が盛り上がった流れの部分のことで、瀬の下流側や瀞場に見られます。
不定期に大きさや位置を変える特徴があります。

原因は川底の大きな石などにより流れが水面に押し上げられる場合と、川の流れの水圧により岸の近くで上に流れが押し上げられて形成される場合があります。



ボイル



二つの流れが合流する場所では「渦」が発生することがあります。
また反転流の力が強い場合(超強力なエディー)も渦が形成されることがあります。
通称は洗濯機



ラミナフローとヘリカルフロー

ラミナフローとヘリカルフロー

川の直線部分などで見られる、直線的な本流部分を「ラミナフロー」と呼びます。
三面張り工法等の護岸工事が行われた場所で発生することが多い。






ラミナフローの圧力は護岸に当たり、圧力により上に持ち上げられさらに、縦方向の螺旋状の回転流を形成します。(護岸から本流方向への回転)
この回転流を「ヘリカルフロー」と呼びます。
場合によってはヘリカルフロー上の水面が圧力により盛り上がっていることがあります。






<注意>
ヘリカルフローが強いと岸に近づこうとしても、流れに押し戻されて着岸できないことがあります。


カレント・ベクトル

川の水の流れる力の方向を指す言葉です。
通常は流れと同じ方向に力が働いていると考えてよいでしょう。




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