川の基礎知識 3

   目次
     川の流れについて
          波の種類とストリームVについて
               ホールのできる原理とホールの種類
                    川の危険について

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ホールのできる原理とホールの種類


ホールのできる原理


ホールのできる原理

「ホール」とは水流が岩などを乗り越えて、川底にぶつかり巻き返す「循環流」(リサーキュレーション又はハイドローリック)を下流側に伴う水面が窪んだ場所をいいます。
循環流によりバック・ウォッシュと呼ばれる白く泡立った上流へ向かう回転流が発生します。
循環流が無ければホールと呼べない

岩よりも水深が浅い場合は、水流は岩を避けるように両側に流れ岩の裏側にはエディを形成します。

逆に岩よりも水深が深く完全に水没している場合は、岩の上に「ハンプ」と呼ばれる盛り上がりや、ボイル、スタンディング・ウエーブを形成します。

さらに水深が深くなると岩の影響はなくなり、水面には波がない状態になります。

ホールができる条件としては、岩の上を乗り越える適切な水量と流速が必要となります。
更に岩を乗り越えた水流が循環流を作るだけの、落差と水圧が必要になります。

バック・ウォッシュの下流側にはボイルが発生し、更にボイルがライン上に並ぶ「ボイル・ライン」を伴うことがある。









<注意>
循環流の大きさは水量、流速などにより変化します。
循環流はカヌーを止めたり、ひっくり返らせたりする危険性があります。
強力な循環流は、ホールに留まらせる力が強く脱出が困難になります。

<注意>
循環流は白く泡立っています。
これは循環流が多量の空気を含んでいる証拠です。
PFD(ライフジャケット)は空気より重いので、相対的に浮力が少なくなります。
つまり循環流に巻き込まれると、PFDを身に着けていても十分な浮力が得られないことになります。

古い本などには循環流に巻き込まれたら、PFDを脱いで川底の下流へ向かう流れに乗れと書いてあることがあるかもしれませんが、現在では間違いとされています。
絶対にPFDを脱がないようにしてください。


ホールを上流側から見るとこんな感じ・・・




ホールの種類と特徴


キーパー・ホール 

ホールの中にはバック・ウォッシュが強いため、カヌーをホールの中へとどまらせ、脱出が困難なホールが存在します。
このようなホールを総称して「キーパー・ホールといいます。
後述の「フラウニング・ホール」はキーパー・ホールとなりやすい。








スマイル・ホール 

ホールの中心部が一番上流に位置して、ホール両端が下流側に弧を描いて広がる形のホール。
ホールの両端は下流側へ延びているため、ホールのラインが上流から見ると、笑った口元のような形をしているので「スマイル・ホール」といいます。
(上流から見ると「∪」の形をしている。)



<重要>
通過するときはホールの中心部分を避けて下流に伸びた両端を通過するとよい。
ホールに捕まっても漕ぐことにより、比較的簡単にホールの外側へ向かう流れ(アウト・ウォッシュ)に乗りホールから脱出できます。
ただし、ホールの弧が極端にきつい場合は、ホールへ引き戻す流れ(バック・ウォッシュ)が強いため、循環流も強くなり脱出が困難になります。





フラウニング・ホール

ホールの両端が中央部より上流側にあり、中央部が下流側に位置するホールのことです。
上流側からホールのラインを見ると、怒ったような口の形をしているので「フラウニング・ホール」といいます。
(上流から見ると「∩」の形をしている。)
ホールの中心部が下流側にあるためホールへ引き戻そうとするバック・ウォッシュが多く発生するためホールに捕まりやすい。



<注意>
このホールを見つけたら迂回するなど近づかないようにしましょう。
ホールに入ってしまったら、バック・ウォッシュの少ない場所(白い波の少ない場所)を狙って、全力で漕ぐこと。



直線ホールと斜めホール

堰堤等の人工物により、川幅に広がった直線的なホールのことです。
直線ホールは非常に危険です。
堰堤などの人工物により発生することが多く強力な循環流を伴うため、どんなに小さな落差のものでも絶対に入らないこと。






直線的にホールが発生するためバック・ウォッシュや循環流が同じ強さで発生するため逃げ場がありません。



斜めホールも同様に人工物によって形成される。








<注意>
直線ホールは落差が少なくて超えられそうに見えるものもあるが、上記の理由により初心者、上級者に関係なく必ずポーテージ(陸送)して迂回してください。
斜めホールも同様です。



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